主催: 一般社団法人廃棄物資源循環学会
会議名: 第35回廃棄物資源循環学会研究発表会
回次: 35
開催地: つくば国際会議場
開催日: 2024/09/09 - 2024/09/11
日本では、多くの廃棄物に対して焼却や溶融などの熱処理が施されており、その結果生じる熱処理残渣(焼却灰、スラグ、メタルなど)には、廃棄物に含まれていた元素が移行している。そのための最も基本的な課題として、熱処理残渣中の有価金属や有害元素等の含有量の定量方法の確立が挙げられる。そこで本研究では、(1) AR法:王水(硝酸と塩酸との混酸)による分解法、および、(2) FB法:硝酸、塩酸、フッ酸との混酸で分解後にホウ酸を加え再加熱する方法の2種類の方法を適用し、各種熱処理残渣中の44元素に対して適した分解方法を検討した。その結果、熱処理各残渣の酸分解に関しては、Mo、Pd、Inを目的元素とする場合や、メタル類が分析対象試料とする場合には、AR法とFB法の両方を適用することが望ましい。目的元素がPtやAuなどの有価元素やCd、As、Pbなどの有害元素の場合、FB法の適用を推奨する。