流通研究
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インド消費者のストア・パトロネージ形成メカニズムに関する研究
友尻 小百合佐藤 忠彦
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2017 年 20 巻 1 号 p. 69-91

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抄録

本研究の目的は、インド消費者のストア・パトロネージ形成構造に焦点を充て、そのメカニズムと業態間差異を明らかにすることである。アンケート調査で取得したデータを用いて仮説検証を行った結果、キラナ・組織小売業ともに、ストア・イメージがコミットメントと信頼を媒介してストア・パトロネージを形成する因果構造が確認できた。また、業態間の共通構造として、信頼がストア・パトロネージに最も大きな直接効果を持つこと、業態間の大きな違いとして、①キラナでは感情的コミットメントがストア・パトロネージに直接効果を持つが、組織小売業では効果を持たない、②ストア・パトロネージに間接効果を持つストア・イメージが異なる(キラナ:評価・評判と価格、組織小売業:雰囲気と店員)ことが確認できた。以上の知見は、インド市場において小売店が安定した顧客層を確保するには、同メカニズムの業態間差異を考慮した施策を取る必要性を示唆している。

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© 2017 日本商業学会
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