抄録
最小二乗法により花粉源の花粉放出量を推定する方法と,ニューラルネットを組み合わせることにより,花粉飛散を数値予測する方法を提案する.花粉放出量を推定するために,飛散濃度の計算値が観測値をできるだけ再現するように花粉放出量を調整しこれを推定する.花粉飛散を予測をするために,気象データと推定した花粉放出量をニューラルネットの学習によって関連付け,次に学習したニューラルネットを用いて気象予報データから将来の花粉放出量を予測し,この花粉放出量を用いて移流拡散方程式を解き花粉飛散濃度を予測する.この予測値は花粉飛散の観測値と一致する傾向を示すことを確認した.