Dynamics & Design Conference
Online ISSN : 2424-2993
セッションID: 116
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116 ガタ系の振動制御法についての一考察
菅原 勇太高松 宏明吉田 勝俊佐藤 啓仁
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抄録
ガタを含む振動系にはその非線形特性によって,応答曲線の取り得る値が多価となる条件がある.この性質を利用すると,複数の応答振幅を自由に選択するような制御が可能となりうる.そこで本研究では外力の周波数を掃引することで,ある振動状態を別の振動状態に移行させる制御法を検討する.同様にして,ばね定数を操作量として振動状態を選択する制御方法の可能性についても検討する.ガタを含む次のような振動系を考える. x+cx+kG(x_0+x;μ)=Q+PcosΩt (A1) 以下の数値例では, k=1.0, c=0.02, Q=0.3, P=0.1, x_0=0.3, μ=0.5, 1.0とし,外力の周波数Ωを変化させる.式(A1)の振動系には,μ=0.5の条件では図A1に示すような跳躍履歴現象が発生する.このとき図中のΩ^D_2くΩ<Ω^U_1とΩ^D_1<Ω<Ω^U_2の範囲が制御可能である.すなわち,外力周波数Ωの掃引によって図中の矢印のような推移を実現することにより,図A2に示すような振動波形を実現することができる.提案手法により70.0%程度の制振効果が得られることが分かる.同様にして,ばね定数を操作量として同様の制御を行った結果が図A3である.この場合には84.0%程度の制振効果が得られた.この手法によれば,制振効果のみならず,制振振幅を増大させるような制御も可能である.
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© 2006 一般社団法人 日本機械学会
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