Dynamics & Design Conference
Online ISSN : 2424-2993
セッションID: 214
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214 超小型3次元振動ステージを用いた細胞培養コントロールデバイスの開発
今野 健一山崎 浩小沢田 正
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抄録
細胞には,力学的もしくは化学的環境に対して敏感に反応し,力学特性や形態,または性質を変化させる能力が備わっている.細胞におけるこれらの現象の把握およびメカニズムの解明は,生命体の本質に迫る重要な課題の一つである.しかしながら生細胞の力学特性や形態,性質を変化させる能力等をリアルタイムに観察するには既存の装置や手法では非常に難しい.これにより細胞の生理挙動については多くの部分が未解明である.また力学刺激は細胞の増殖制御,形質維持,さらには組織形成においても重要な働きをしていると考えられている.言い換えると,細胞が本来の形質を維持するためには生化学的刺激だけでは足りず,力学刺激が必要不可欠ということになる.しかし,実際には細胞に対し有効的に働く刺激量の確立はされていない.そこで本研究では細胞に対し,任意の刺激量で3次元的かつ非侵襲的に力学刺激を与えることを目的としたFig. A1のようなデバイスを開発した.また,無菌環境下において細胞に長時間刺激を与えることを可能とするシステムを構築した.そして正常ヒト骨芽細胞を被験細胞とし,本デバイスを用いて細胞の形状的な変化を引き起こすことが可能であるか検証するため,24時間にわたり一定の力学刺激を与えた.その結果,本研究では刺激を与える前,与えた後の正常ヒト骨芽細胞との間には若干ではあるもののFig. A2に示すように形状的な変化を示す結果が得られた.
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© 2006 一般社団法人 日本機械学会
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