関西支部講演会講演論文集
Online ISSN : 2424-2756
セッションID: 3201
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ファイバーレーザ溶接ロボットを応用した工作機械の板金部品の生産システムの考察
山口 陽平廣垣 俊樹青山 栄一
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抄録

近年,安全カバー,電装・配管部品の支持具,クーラントタンクなど,工作機械の板金部品に対するニーズが増大している.さらに,機能性に加え意匠性も求められ,R形状・多面形状などの具現化,ステンレスなど扱いの難しい素材の利用が必要とされている.しかしながら板金部品の製造は人手作業が大半である.そこで本報では,ファイバーレーザ溶接ロボットを導入した新たな板金部品の生産システムとその効用について検討した.最初に板金部品の展開図に着目して,展開図の縦横比とそれぞれの部品の質量の関係を調べ,曲げ回数毎に分析した.その結果,展開図の縦横比と部品サイズと曲げ回数の関係において,大型部品は多くの曲げにより機能化する傾向にあり,小型部品の機能化には溶接による付加加工が必要であることが判明した.さらに競争力ある板金部品には溶接工程の熟練者の暗黙知に頼らない自動化技術が不可欠であり,そのためのシステムとしてファイバーレーザ溶接ロボットシステムが有望であることがわかった.そして最後に,溶接条件の探索にはハブラニアンプロットを活用しながら,水漏れ防止機能が求められる箱型形状に対してケーススタディを遂行して,その実用性を示すことができた.

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© 2021 一般社団法人 日本機械学会
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