非平衡粘弾性システムの形態変化分岐に関する力学応答解析

抄録

圧縮負荷速度に依存して2種類の構造形態に分岐する回転バネとダンパで構成された周期リンク構造体（非平衡粘弾性システム）の連立常微分方程式を考案する．この速度式について初期値から時間積分を行うことにより解軌道を計算し，形態変化分岐が起こる圧縮負荷速度の臨界値を得る．次に，水平方向の粘性項を省略した簡易モデルを対象として類似の分岐現象を解析し，極座標系で記述した方程式の特性を議論する．さらに，近似モデルの解析結果と比較するために，マルチボディダイナミクスによる機構解析を実施し，非平衡粘弾性システムの分岐現象を応用した特殊な変形機構を明らかにする．