純チタンは比強度,耐食性,耐熱性の優れた特性を有し,航空宇宙産業や化学プラントにおいて多く使用されている.高温環境下では製品化のための加工による塑性変形や表面処理後,高温に晒される場合がある.加工材は,再結晶や結晶粒粗大化により強度や伸びの低下が生じることが報告されている.安全性確保のため,塑性変形後の高温環境に曝露された材料の引張性質を調べることは重要である.圧延,引張変形,ショットピーニングにより,純チタンを微小変形させ,その後の熱処理を行い,変形量と熱処理温度の関係が引張性質に及ぼす影響について調べた.