機械學會誌
Online ISSN : 2433-1546
彎曲せる水車放水管の理論及び設計
宮城 音五郎
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1930 年 33 巻 164 号 p. 733-743

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抄録

水車の放水管及びポンプの吸水管中の水の流れは理論上からポテンシヤル流動なることを必要とする。管の軸線が垂直線なる場合のポテンシヤル流動は流體力学に關する二次元の問題であつて、その理論は既に普く知られたるものであるけれども、軸線が曲線なる場合の理論はそれが三次元の問題であるために、嘗て解かれたることあるのを聞かない。本論文は流體力学上三次元の問題として、曲線を中心線とする彎曲放水管及び吸水管中のポテンシヤル流動を論じ、併せてそれが設計法を掲げ、エネルギー損失の最小なる最優秀なるこれ等彎曲管の形状を定むることを述べたものである。なほ水車の場合には荷重の変化につれて放水管中に水は自然的の旋囘流動を起すが、それが彎曲管の場合には如何なる旋囘流動を起すかに論及したものである。

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© 1930 一般社団法人日本機械学会
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