機械學會誌
Online ISSN : 2433-1546
霧吹気化器に關する實驗的研究(第1報)
山下 誠太郎
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1933 年 36 巻 191 号 p. 159-164

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抄録

気化器に關する基礎的實驗として最初に第1圖の如き極度に簡單化した霧吹気化器模型につきて、霧吹ノッズルの構造が噴出液體の微粒子化作用に及ぼす影響を調べた。比較に供したノッズルは第2圖(甲)(乙)(丙)の三種で、微粒子化させる液體には水を使つた。微粒子化さわた水の中にも送出管中を前進する間には集滴を形成するものを生ずる。若しノッズルの構造によりて微粒子化作用に變化を生ずとせば、その影響は集滴量の上にも現はるべき筈である。この實驗ではこれに着目し、送出管の所々でそれまでに形成される集滴量を測定し、それによつて微粒子化作用の如何を判断した。實驗結果によると、送水量が少く送風量が多い時はどのノッズルを使つても集滴量に差異がない。即ちノッズルの構造は微粒子化作用にほとんど影響しない。然し送水量が多くなり送風量が少くなるにつれて、微粒子化作用に及ぼす影響も次第に著しくなり、直径の小なノッズルほど集滴量が少くなる。次ぎに同じ模型に第2圖(甲)のノッズルを使つた場合につきて、出來た微粒子が送出管中をどんな分布状態で通過するかを、特にその目的で試作した測定器によりて測定した。第25圖から第30圖まではこの測定結果の數例である。

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© 1933 一般社団法人日本機械学会
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