抄録
繊維うねり(Fiber waviness)は複合材料成形中に発生する欠陥の一つであり,構造物の圧縮強度を低下させるため問題となっている.しかしその発生原因は十分に明らかにされていない.本研究では,金属治具収縮に起因する複合材のマイクロバックリングからうねりが発生すると考え,このプロセスのモデル化を行う.このプロセスでは,離型剤の塗布不足による治具と複合材の接着,硬化剤の混錬不足による硬化不良,繊維の初期たわみの3点の成形条件の不良を仮定している.複数条件下でモデルによる解析結果と実験結果の比較を行い,このモデルが正しく繊維うねりの発生を予測することを確認した.