抄録
転位密度を考慮に入れた積層欠陥エネルギーの算出式を提案し、その算出式を用いて銅合金の積層欠陥エネルギーを算出した。その結果、それまでの計算での問題点であった溶質原子濃度が高い領域でも実験値と一致を示した。また、転位密度を考慮に入れると積層欠陥エネルギーは負の値をとらなくなった。溶質原子濃度を上げるとある濃度で急激に拡張転位幅が拡がり積層欠陥エネルギーが0に限りなく近づくことがわかった。なお、転位密度を1×10^<-11>〜1×10^<-15>m^<-2>に変えて計算を行ったが大きな変化は見られなかった。