抄録
骨梁への力学的負荷により生じる間質液の流れは,細胞の力学刺激感知機構において重要な役割を担うと考えられている.そこで本研究では,多孔質弾性論を用い,繰返しの単軸荷重と曲げモーメントが複合して作用する骨梁について,内部間質液の流体圧に関する理論解を導出した,その結果,定常応答時は,曲げモーメント比の増加にともない,骨梁表面だけでなく,骨梁内部にも間質液の流れが発生することが示された.一方,過渡応答時には,曲げモーメント比の値に関わらず,荷重負荷直後において流体圧の変化率が上昇することが示唆された.