抄録
顕著な弾性異方性を有するNi基単結晶超合金について,引張圧縮-繰返しねじり組合せ負荷による高温多軸低サイクル疲労試験を行い,寿命評価パラメータについて検討した.単結晶超合金では,<001>方位を試験片軸とした場合,異方性の影響により,引張圧縮より繰返しねじり条件における応力の応答および非弾性ひずみ範囲が大きくなり,Mises型の相当ひずみでは,多軸応力下の応力-ひずみ挙動および疲労寿命の評価が困難となる.引張圧縮および繰返しねじり条件における応力応答と非弾性ひずみ範囲をもとに弾性異方性を考慮した相当ひずみ範囲を提案し,異方性超合金の多軸応力下における寿命評価について検討した.