抄録
神戸の代表的な地域産業であるラバー製品のテーラーメイド化を目指し,ラバー製スポーツシューズを対象に,現在,内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)において革新的設計・生産に関する研究開発を進めている.ここでは,その概要と基本的な考え方を紹介するとともに,IoT環境下におけるユーザとメーカの持続的インタラクション,および工場を構成する自律機械間の合理的交渉による「考える工場」の実現に向けた取り組みについて説明を行う.ここで提案する考え方は,アジャイル生産によるプロデューザイノベーションと,デライト設計によるユーザイノベーションの双方を同時に実現することを目指しており,これからの展開が期待される.