抄録
設計から生産までモノづくり全般に亘る機能品質の評価法と改善法を研究する品質工学において、基本機能は重要概念の一つ である。前回は、基本機能の定義(エネルギーの入出力関係を表す事)と要請(様々な技術分野に適当し得る汎用性がある事) から創案した変分原理と回路論を組合せた基本機能の数理的導出法を、単一の技術分野である機械システムに適用し、その可能 性を報告した。今回、電気、機械、音響という複数の技術分野を統合した複合技術システムへ本方法論を適用し汎用性を確認し た。また、設計プロセスへ本方法論を適用した効果を検証中である。