抄録
近年、宇宙機を用いた宇宙空間の探査活動は増加傾向にあり、種類も多種多様化している。将来、その活動をさらに活発にするためには、使いやすく、安全で、低コストの大気圏突入システムが必要になると考えられる。そこで、本研究では、JAXAを中心に新しい大気突入システムとして注目されている柔軟構造を用いたエアロシェルの構造強度に焦点を当てている。本論文では、柔軟エアロシェルの構造強度測定試験結果と自研究室で開発している非線形有限要素法による数値構造解析の結果に加えて、具体的に従来の座屈判定方法とは異なる剛性マトリクスの固有値に基づいて座屈判定を行なった場合、試験結果とよく一致した解が得られたことについて詳細に述べる。