抄録
本論文は,折り曲げられた超弾性合金が元の形状に戻ろうとする際に生じる回転トルクを近似的に計算しようとするものである。本研究では,その回転トルクを展開型宇宙構造物の展開動力として用いることを想定しており,その動的効果を動力学計算に反映させることを目的としている。本論文では,ある一定の温度下における応力ひずみ曲線をバイリニア近似し,そこから曲げ応力度および曲げモーメントを求め,その変化を曲げ角度の関数として表す手順を示す。今後は本結果を動力学計算に導入し,宇宙での展開挙動の理論予測に応用できるようにしていく予定である。