抄録
今日,衛星ミッションが複雑化し,状況監視のニーズが高まっている.宇宙機から分離し独立した視点で監視を実現する分離カメラへの関心が高まっているが,こうした状況の中,高解像度で高頻度の画像取得が求められている.しかし,高解像度画像を取得した際,データ量が多く,分離カメラで用いる簡易な通信装置では,高頻度の画像伝送が困難である.そこで,画像圧縮をイメージセンサ内で実現する民生用高解像度イメージセンサを活用することで,実時間での高解像度画像の取得及び伝送を実現することを考えた.このような民生デバイスは撮像能力に加えて演算能力も有する分宇宙環境で適応性,特に放射線耐性に関して不安が残る.そこで,本論文では,画像処理能力を内蔵した民生撮像デバイスの放射線耐性について試験を行ったので報告する.