抄録
やけどや手術後に起こる手の拘縮の障害を避けるには,指の屈伸動作を繰り返すリハビリが重要であるが,多くの時間と労苦を必要とする.このリハビリ作業を自動的に行えれば,リハビリ作業の軽減,効率化が期待される.本研究では,駆動部に形状記憶合金を用いた指動作のリハビリ装具を開発するため,形状記憶合金の特性に基づいた駆動装置の設計法を検討した.そのために,形状記憶合金単体に対する力や伸縮の基礎特性を測定し,その特性を数式によって表現した.続いて,特性を捉えた数式を用いて形状記憶合金アクチュエータの設計を行い,リハビリ装具としての利用の可能性を検討した.