野外採集チャバネゴキブリに対する各種ジェル食毒剤の効果について（第２報）

抄録

前報告（第57回大会）において、野外採集コロニーに対するジェル食毒剤７種の効果に関し、50×15cmのプラスチック容器を用いた雄成虫に対する強制摂食条件での検討結果等を報告した。本報告では、引き続き同容器を用いた雄・雌成虫混合放虫による任意摂食試験や1m²アリーナを用いた任意摂食試験を行い、試験間の効力比較を試み、また、ヒドラメチルノン製剤に低い効果を示したコロニーに対して経口試験で簡易な感受性調査等を行ったので報告する。
　野外採集コロニーを用いた試験は、採集虫を試験可能な規模までpopulationを増殖させる必要があり、特にゴキブリ等の場合では雌を供試することによるpopulationへの影響が高いため、中途半端に供試できないなどの問題がある。本報告からチャバネゴキブリに関して雄のみの食毒試験で効果判定がある程度可能であることがわかった。また、ヒドラメチルノンに対して低感受性が示唆されるコロニーの存在について考察する。