抄録
2002年から2004年にかけてパプア・ニューギニアEast Sepik州にてマラリア媒介蚊Anopheles punctulatus groupの採集調査を行った。Human-baitまたはIndoor Collectionにて採集後、吻の形態学的特徴によりAn.farauti，An.koliensis，An.punctulatusの3種に分類した。採集箇所は海辺のDagua、Boiken、高速道路沿いのWingei、Warabong、平野部のWitupe、島部の Walis、Kairiru、山裾のKaboibus、Jawiaの9箇所で、採集数はAn.farauti1922匹、An.koliensis1458匹、An.punctulatus312匹であった。現在、An.farautiには7つのsibling species（An.farauti1〜7）、An.punctulatusには2つのsibling species（An.punctulatus、An.sp.near punctulatus）が存在し、これらを含めAnopheles punctulatus groupには12のcryptic speciesが存在するとされており、PNGではそのうちAn.farauti 1〜6、An.koliensis、An.punctulatus、An.sp.near punctulatus、An.clowiが報告されている。今回我々は採集された個体を対象としsibling species解析のためrDNA ITS2領域およびmtDNA CO2領域の塩基配列を用いて系統解析を行ったのでその結果について報告する。共同研究者：R. Itaki(Kagawa Univ)、塚原高広、小早川隆敏（東京女子医）、F. W. Hombhanje(Univ of PNG)、I. Hwaihwanje(Wewak General Hospital)
