日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
第59回日本衛生動物学会大会
セッションID: A03
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渡り鳥飛来地における蚊の捕集とウエストナイル熱病原体の検出結果
*津田 良夫星野 啓太伊澤 晴彦中口 梓葛西 真治片野 理恵金 京純駒形 修冨田 隆史佐々木 年則林 利彦澤邉 京子小林 睦生
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抄録
長距離の渡りを行う鳥類によってウエストナイルウイルス(WNV)が持ち込まれる可能性を検討するために,渡り鳥の飛来地を対象として蚊成虫の捕集を行った.成虫の捕獲には誘引源として1kgのドライアイスを用いた吸引式トラップを用いた.得られたサンプルは冷凍して持ち帰り,種類同定の後WNVの検出を行った.調査地と調査時期は以下の通りである:(1)北海道サロベツ湿原(2006年7月上旬),(2)鹿児島県出水市(2006年11月中旬),(3)東京港野鳥公園(2006年6~10月),(4)谷津干潟(2006年8月).サロベツ湿原では9種類,約1,300個体が捕獲された.出水市では,4種類,合計15個体が捕獲された.東京港野鳥公園では,6種類,約1,600個体が採集された.なお,この中には東日本で初めて採集されたイナトミシオカ約120個体が含まれている.谷津干潟では4種類,約360個体が採集された.谷津干潟でもイナトミシオカ2個体が捕獲された.これらのサンプルについてWNVの検出を行ったがすべて陰性であった.
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© 2007 日本衛生動物学会
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