日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集
第59回日本衛生動物学会大会
セッションID: A05
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未知の蚊媒介性ウイルス検出を目的としたWhole genome amplificationの応用
*木原 悠希佐藤 朝光酒井 宏治江下 優樹宮田 健鹿志毛 信広見明 史雄水谷 哲也
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抄録
蚊媒介性ウイルス疾患に対する予防対策を行う際に、野外採集蚊からのウイルス分離や検出には、ELISAやPCRなどが用いられている。しかし、標的となるウイルスに対する特異抗体やプライマーなどを予め準備する必要があることから、検出されるウイルスは限られている。しかも、予想出来ない未知のウイルスは検出困難である。 近年、φ29ポリメラーゼを用いたWhole Genome Amplification(WGA)は、著しく進歩し、数多くの研究において、φ29ポリメラーゼを利用したWGAが利用されるようになっている。そこで我々はこのWGAに着目し、少量のDNAから全ての遺伝子を偏りなく増幅する新しいWGAであるOmniPlex Libraryの特性を生かし、標的となるウイルスの特異抗体やプライマーを用いないで、未知および既存のウイルスを迅速に検出可能な手法の構築を試みた。この方法は迅速にウイルスの塩基配列を検出する手法である点からRapid determination system for viral sequences(RDV法)と名づけた。 今回、我々が構築したRDV法の有効性を確かめるために、マウス肝炎ウイルスを用いて試験を行った。また、本法の蚊媒介性ウイルス検出への可能性を検討するために、デングウイルスを感染させたC6/36細胞からのウイルスゲノムの検出を試みたので報告する。
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© 2007 日本衛生動物学会
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