抄録
ネズミ媒介性あるいはネズミ類に関わる節足動物媒介性感染症を監視,研究するためにはネズミ類の捕獲が必要となる. 国内外を問わず捕獲作業は遠隔地で行われる場合が多いために運搬性能を高めたトラップが必要となる.運搬性能を考慮し,軽量化と収納性に努めたトラップを製作したので紹介する. 短期間に多数のネズミ類を捕獲するためには,多数のトラップを設置する必要があり, トラップの収納性・軽量性を重視した構造とした.
軽量化を重視して金網式トラップとし, 収納性を高めるためには折りたたみ式で対応した. 大型ネズミの脱走を防止するためには,バネ強度に頼ることを避けた構造とした.
従来のシャーマントラップは, 収納性は高いが全面が金属板で作製されているために,寒冷期にはトラップ内が低温となりネズミ類の生存性が低下していた. これらを避けるためと, 耐久性を考慮してステンレス金網を使用したトラップとした.
現在は小型金網トラップ(W9.5×H7.5×L20cm,アカネズミ程度の野鼠対応)と大型金網トラップ(W15×H11×L30cm,アカネズミからドブネズミ程度の鼠対応)の2種を製作しネズミ類の野外捕獲調査を実施しているので紹介する.
キーワード:ネズミ,トラップ,保菌動物,媒介者