抄録
目的
西日本重症児施設におけるインフルエンザ対策の動向を調査し今後の対策に役立てる。
方法
該当の62施設に対し、平成19年9月1日からの1年間の対策の状況を調査し、過去の結果と比較した。
結果
60施設から回答を得た(回収率96.8%)。入所児(者)へのワクチン接種は全施設で行われており、対象は「原則全員」がほとんどであった。接種率は平均96.8%で、接種回数・時期も前年と同様であった。費用負担は、「施設負担」が年々減少(77→41→25%)していた。ワクチンの効果は「あり」が約70%で、前年と同様であった。職員へのワクチン接種はほとんどすべての施設で積極的に勧めており、接種率は86.1%であった。インフルエンザの発症がみられた施設は55%で、前年度と大差なかった。発端者は「不明」が55%であったが、判明しているものでは「入所者(外泊後と合わせ)」が33%と最も多く、特に外泊後は要注意であった。治療に関しては、「タミフル」の使用が復活(44→97%)していた。今後のタミフル使用に関しては、「これまでと同様に使用」は、前年に比し今回は52%と倍増していた。「より慎重に使用」は75%から47%に減少していた。使用に関する考え方では、「重症児(者)はハイリスクであり積極的に使用」、「タミフルが有効性や剤形で優れているので優先的に使用」に同意が多かった。予防内服に関しては、「慎重投与」、「予防接種、教育が重要」が多かった。新型インフルエンザ対策は、「具体的には未開始だが必要性は感じる」が63%で、マスク等防護具の備蓄やマニュアル整備等の対策を開始していたのは9施設(15%)のみであった。
結論
入所児(者)へのインフルエンザ予防接種の方針は、ほぼすべての施設で「原則全員」、接種率は平均96.8%で、前年と同様であった。治療では「タミフル」の使用の復活が目立った所見で、使用にも前年より積極的な傾向がみられた。