抄録
重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))92名を対象にした制作活動に関して、使用する作業スキル、上肢機能、および認知発達段階を検討し、制作活動における課題選択と指導上の配慮点を考察した。本研究の結果から、重症児(者)における制作活動は、対象者の上肢機能に合わせて自助具等を用いることの必要性が明らかになった。また、制作活動のねらいに関しては、感覚刺激の提供、道具の操作を促す、新たな作業スキルの獲得を認知発達段階別に設定できた。さらに制作課題の選択や作業工程の提示方法を工夫する際にも認知発達段階を手がかりにした配慮が有用であった。