抄録
重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))の在宅支援の一つである重症児(者)通園事業は20年余を経過して、全国に300カ所以上の事業所数になっているが、残念ながらまだまだ改善すべき課題も多い。そこで、それらの改善すべき点を明らかにするためにアンケート調査を行い、通園事業の利用状況、送迎手段、運営状況、通園事業所の担当地域における問題点およびその解決策について質問を行った。回答の中で、通園施行施設数の不足が通園関係者にとって一番の問題であり、続いて看護師不足、緊急時体制などの医療面、送迎の所要時間やその間の医療体制、送迎の費用などの問題、収支を含む運営、地域のシステム化などが続いた。NICU(新生児集中治療室)長期入院既往児の通園も多かった。これらの課題に対して、事業所間や行政との連携体制を強力にして様々な社会資源を活用し知恵を出し合って一つ一つ解決していくことが必要である。