日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
原著
重症心身障害児施設入所者の家族に終末期医療に対するアンケート調査を施行して
浅野 一恵山倉 慎二
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2013 年 38 巻 3 号 p. 455-461

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抄録

当施設に入所している重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))63名の家族に終末期医療に対するアンケート調査を行った。アンケート回収率は80.9%であった。終末期医療に対する基本的姿勢の項目では、「回復が見込めない場合は施設で看取ってほしい」が64.7%、「家族が看取りたい」31.3%、「できるかぎりの集中治療を受けたい」3.9%であった。終末期の医療介入の項目では、「心肺蘇生術を希望する」54.9%、「人工呼吸器装着を希望する」11.8%、「人工透析や血漿交換を希望する」7.8%であった。今回終末期医療に対するアンケートを施行したことにより、必ず訪れる終末期を家族に意識してもらう効果があったと考えた。また家族全体で考え合ってもらったことにより、ご本人を主体として終末期のあり方を考える大きな一歩となった。

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© 2013 日本重症心身障害学会
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