抄録
背景
われわれは2008年に身体測定結果が栄養評価に有用と報告し、その際「身体測定に基づいた必要エネルギー推定」を課題とした。そこで、「必要十分なエネルギー量を摂取出来れば体重変動はない」ということを正仮説として、2010年に年間体重変動±0.5kg以下の利用者の指示エネルギー量を調査した結果、一定の算出式を得られた。われわれは現在この算出式から得た数値と体重変動をみながら指示エネルギー量を設定し、利用者は比較的良い体調を維持している。
算出式:「日本人の食事摂取基準」に基づく推定必要エネルギー量=除脂肪量で算出したBEE×活動レベル×ストレス係数=基礎代謝基準値kcal/kg×L−bodymass kg×(1.25×1.1) *()が係数
目的
2010年に考案した算出式および係数が2014年度現在でも適応するか、推定必要エネルギー量の算出係数の適否を精査する。
方法
2014年10月1日に在所した長期利用者93名中、年間体重変動が±0.5kg以下の利用者30名を対象とし、2010年度に考案した算出式で推定必要エネルギー量を算出し算出係数を精査し2010年係数と比較する。
結果
1.栄養調査結果から算出した推定必要エネルギー量と、利用者個々の実際の給与エネルギー量の関係は係数(1.25×1.1)で最も相関係数(r=0.48)が高く、両者に有意差はなかった。
2.算出した推定必要エネルギー量と給与エネルギー量は、特に経口摂取者13名でr=0.77、経管栄養者17名は体重kg当たりのエネルギー量の関係でr=0.65と強い相関がみられた。
考察
経口と経管でそれぞれ特徴があるものの、算出式および係数(1.25×1.1)の使用は適しており、算出される数値を第一ステップとして給与エネルギー量=指示エネルギーとした給食は利用者の体調維持に寄与し得ると考える。