日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
一般演題
P-1-F08 おしゃれ支援を通して見えたこと
−もっと素敵に輝くために−
秋山 仁美松本 千賀子興梠 直美石橋 純子藤井 鈴子川久保 幸代
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2015 年 40 巻 2 号 p. 287

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抄録

はじめに 当院では2013年度より生活支援の中で利用児(者)へのメイク・ネイル等のおしゃれ支援を行っている。関わりの中で心のつながりを深め彩りのある生活を送るための支援につなげることできたので報告する。 目的 1.おしゃれ支援を通して新たな自分を発見し得られる喜びを支援者と共有する。 2.特別な気持ちで行事に参加する。 方法 各種行事の際それぞれの対象者に対しおしゃれ支援を行う 1.長寿の祝い:対象者 還暦、古希を迎えた利用者3名 2.ヴァイオリン演奏会:対象者 参加利用児(者) 120名 3.季節行事:対象者 女性利用児(者) 7名 4.第40回日本重症心身障害学会 学術集会 ファッションショー:対象者 ファッションショー出演者 3名 結果 1.対象者に支援を行うことで全体的にお祝いの雰囲気が高まった。 2.ヴァイオリン演奏会のテーマに沿ったおしゃれをして参加することができた。 3.季節を感じるネイルを行うことにより行事参加までを見通し期待感を持って過ごすことができた。 4.おしゃれ支援を日常関わっている保育士が行うことにより対象者が安心して関わることができた。 考察 肌に触れることで心地よい緊張感をもちながら安らぐ時間を過ごすことができたり周囲から声をかけられることが大きな刺激となり利用児(者)の表情が生き生きと輝きを増した。またおしゃれをすることにより外面だけでなく内面もいつもとは違う利用者の一面を知ることができた。おしゃれをすることで気づいていなかった利用児(者)の個性や魅力を発見する機会となった。この支援の専門性をより高めるため自己研鑽に努め認定メイクセラピーアドバイザーの資格も取得した。今後もおしゃれ支援を利用児(者)一人ひとりがより素敵に輝くための支援にしていきたいと考える。

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© 2015 日本重症心身障害学会
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