2015 年 40 巻 3 号 p. 373-380
今後の重症心身障害児(者)(以下、重症児(者))への支援を増進していくための基礎統計データを得るために、今回2007年に日本小児科学会倫理委員会ですでに調査済みの兵庫県を対象に、7年後の実態調査を二次医療圏単位で実施した。期間は2014年6月から9月の間で、調査項目は文科省調査と統一するために、 「鼻腔栄養」「胃瘻」「口、鼻からの吸引」「気管切開」「酸素吸入」「人工呼吸器稼働」の6項目に限定した。 36調査対象施設のうち、31病院、3診療所、計34施設からデータの回答を得た。医療的ケア総実人数は在宅児者933人、入院・入所児者326人、 総計1,259人であった。20歳未満例の2007年との比較では、実件数で約6倍と著増し、過疎地域にも実施者が広がっていた。在宅酸素利用者が8倍(20歳未満)に増え、人工呼吸器が全域で299台稼働し、人口1,000人あたり0.05と他府県に比し高率であった。