日本重症心身障害学会誌
Online ISSN : 2433-7307
Print ISSN : 1343-1439
シンポジウム1:重症心身障害看護の“やりがい”を考える
認定看護師の育成と成果
藤島 信也
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2021 年 46 巻 2 号 p. 204

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抄録
重症心身障害の看護分野において、水準の高い看護実践のできる看護師を育成する事により、看護の質の向上を図る目的で、日本重症心身障害福祉協会重症心身障害看護師(以下、協会認定重症心身障害看護師)制度が2011年4月より開始となった。九州地区においては2013年より当センターが事務局となり九州地区の各施設で計180時間(実習、演習を含む)の教育が開始され、現在まで86名が協会認定重症心身障害看護師として認定された。協会認定重症心身障害看護師としての役割・活動は各施設で様々だが、当センターの協会認定重症心身障害看護師の役割について紹介したい。当センターは私も含め4名の協会認定重症心身障害看護師が活動している。主に看護学校、看護大学へ小児看護学として重症心身障害とは何か、原因、症状、合併症、看護の実際などを講義する事が多い。また、始めて重症心身障害児者(以下、重症児者)を受け入れる施設への指導なども行っていて、施設外の方たちの教育に携わる機会が多い。施設内の役割は、定期的にミーティングを行い、各病棟の看護実践で問題・課題になっている事に焦点を当て研修の企画・講義を行っている。また看護研究班に所属し方向性のアドバイスや意欲がでるような働きかけなど、看護研究をサポートする役割や日々の看護実践の指導者としての役割も担っている。特に後輩の育成指導では、これまでの習慣・慣習にとらわれず、根拠を持った指導を心がけている。 これからの重症心身障害看護は重症児者の高齢化、超重症児者の入所期間の長期化、在宅重症児者の増加などから、幅の広い看護が必要である。私たちは協会認定重症心身障害看護師として看護の実践者としてだけでなく、幅の広い看護に対応できる人材を育成するために、さらなる重症心身障害看護の知識や技術を探求し、自己研鑽を続ける必要がある。 学歴 2000年3月 飯塚医師会看護高等専修学校 卒業 2003年3月 宗像看護専門学校 卒業 職歴 2003年4月 鞍手町立病院 入職 2007年3月 鞍手町立病院 退職 2007年4月 久山療育園重症児者医療療育センター 入職 2015年4月 看護主任 就任 2018年4月 看護師長 就任 資格 2003年 看護師免許  2014年 3学会合同 呼吸療法認定士 2015年 日本重症心身障害福祉協会認定 重症心身障害看護師 2016年 認定看護管理者 ファーストレベル 2017年 認定看護管理者 セカンドレベル
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© 2021 日本重症心身障害学会
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