抄録
爪白癬の治療としてイトリゾール 400 mg/日のパルス療法が保険適応となり約 1 年が経過した。治療の選択肢が増えたことにより治療法は変わりつつある。 最近、約 1 年間に、外来を受診した趾爪白癬患者について治療内容を集計し、その後の外来での治療の継続状況について検討した。「水虫」を診てほしい、と受診した患者は 482 名、足鏡検陽性 306 名、趾爪鏡検陽性 216 名、いずれかで鏡検陽性であった症例は 386 名(80.1%)であった。このうち趾爪白癬として治療を行った症例は 256 名であり、テルビナフィン 125 mg 連日投与群 135 例(52%)、イトラコナゾール 400 mg パルス療法群 32 例(13%)、外用療法のみ 89 例(35%)であった。テルビナフィン投与群では 3 ヶ月以内に治療を中止・中断した症例が 66 例(49%)、6 ヶ月内服した症例は 13 例(9.6%)であった。一方パルス療法群では、予定の 3 クール施行した症例は 20 例(63%)であった。現在、テルビナフィンは 6 ヶ月を目安とした内服治療が推奨されているが、実際に 6 ヶ月の内服を遂行できる患者は必ずしも多くはないのではないかと危惧される。治療を中断した患者の中には、その後治癒した症例もあると予想できるが、治癒した患者は通常受診しないことを考えると、治癒の判定を患者に委ねざるをえない現実がある。臨床の現場で直面する問題点について考察する。