日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第49回 日本医真菌学会総会
セッションID: P-108
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小児に生じた Microsporum gypseum によるケルスス禿瘡の1例
*高橋 真理寄藤 和彦西村 和子
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抄録
症例は 10 歳,男,千葉県香取郡在住.外傷の既往不明.初診は 2004 年 10 月 19 日,頂頭部の脱毛と膿疱を主訴として来院.既往歴は特記することなく,家族歴として父に足白癬がある.現病歴は,初診の約 2 週間前より頂頭部に掻痒を伴う紅斑鱗屑局面が出現.近医で頭部湿疹の診断にて副腎皮質ホルモンローションの外用治療を受けるも病巣の拡大,膿疱の多発を認めたため転医.白癬の疑いのもとに鱗屑,膿汁の直接鏡検をくり返し受けたが菌要素を認めず,抗生剤内服にても改善なく,当院皮膚科紹介となった.現症は頭頂部に脱毛を伴う 3.5 × 3.5 cm 境界やや不明瞭な紅斑鱗屑局面を認め,同部に膿疱が多発.毛髪の直接鏡検で菌糸を認めた.トリコフィチン反応強陽性.サブローブドウ糖寒天培地による毛髪の分離培養でベージュ色粉状の集落を得た.巨大培養で淡褐色粉状の扁平な集落を形成.顕微鏡所見で多数の紡錘形,外壁は薄く粗面,3-6 細胞性の大分生子と棍棒形の小分生子を認めたため,本菌株を Microsporum gypseum と同定し,本疾患を本菌種によるケルスス禿瘡と診断した.父親の足白癬の培養結果は Trichophyton mentagrophytes であった.イトラコナゾール 50 mg/day (1.6 mg/kg/day)で治療.内服 2 ヶ月まで真菌鏡検,培養ともに陽性であったが, 3 ヶ月でともに陰性化したため,計 4 ヶ月半で内服終了とした.終了後 4 ヶ月現在再発兆候を認めない.
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© 2005 日本医真菌学会
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