日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第49回 日本医真菌学会総会
セッションID: SIII-2
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話題の皮膚真菌症の最前線
皮膚真菌症と環境
*加藤 卓朗
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抄録
皮膚真菌症の発症、感染機序を考えると、皮膚や粘膜の常在菌が増殖・形態変化して発症する内因性感染症(カンジダ症、癜風)と外部から菌が侵入して発症する外因性感染症に大別される。環境は外因性感染症の原因真菌の生息場所あるいは感染経路として関係するが、さらにその場所は室内(人工)環境、屋外(自然)環境(植物なども含む)および動物に分けることができる。室内環境で感染する皮膚真菌症の代表は白癬(Trichophyton rubrumT. mentagrophytes など)である。演者らの検討などから最も多い足白癬では患者から散布された白癬菌が塵埃など室内環境中に生存し、病変のないヒトの足底や趾間に付着することが証明された。この場合、環境は感染経路中の一過性の生存場所といえる。患者説明に必要な環境中の白癬菌の除菌方法などについて最近の知見を紹介するとともに、環境から分離される白癬菌相について問題提起したい。また空中浮遊菌であるアスペルギルスが室内環境で感染し、皮膚アスペルギルス症を発症した例を経験したので供覧する。これに対し、屋外環境で感染するのは白癬(Microsporum gypseum )、スポロトリコーシス、黒色真菌症などであるが、これらの原因菌は土壌など環境中に生息しているのが通常の状態で、外傷などを契機に偶発的にヒトに感染する。動物から感染するのは白癬(Microsporum canis など)、クリプトコックス症などである。
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© 2005 日本医真菌学会
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