抄録
【目的】Candida albicans 細胞壁マンナンの構造が培養温度(1)や pH により影響されることは以前報告した。今回は、本菌を種々のストレス条件で培養し、細胞壁マンナンの構造並びに遺伝子発現の変化を観察した。
【方法】C. albicans NIH A-207 株を YSLM 培地で30℃(Control)、H2O2 による酸化ストレス、NaCl による浸透圧ストレス、37℃ の高温ストレス下、それぞれ 12 h 培養後の菌体からマンナンを精製し、1H NMR にて構造解析を行った。さらに、希酸処理し、β-1,2 結合オリゴ糖画分を分離し、ANTS 試薬でラベルし電気泳動で解析した(FACE法)。また、RT-PCR 法で細胞壁合成関連遺伝子 MNN1-MNN6 の発現を観察した。
【結果及び考察】各種ストレスに対し、細胞壁マンナンはそれぞれ異なった構造の変化を示した。NMR 解析により、H2O2 存在下では β-1,2 結合マンノース残基の増加、特に酸不安定 β-1,2 結合マンノオリゴ糖鎖の増加が、NaCl 存在下では酸不安定糖鎖の減少が、高温培養では β-1,2 結合マンノース残基の減少が観察された。FACE 法でも同様の結果が得られた。また細胞壁合成に関連する遺伝子の発現も変化した。
1) Okawa Y. et al., FEBS Lett., 345, 167-171 (1994).
[会員外共同研究者:牧田真由美]