日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第50回 日本医真菌学会総会
セッションID: P14
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ポスター(括弧内番号はセレクテッド・シンポジウム発表を示す)
Coccidioides 属のトポイソメラーゼ II 遺伝子(TOP2)及び関連遺伝子(TRF4)による同定法について
*伊藤 淳二佐野 文子亀井 克彦西村 和子宮治 誠三上 襄
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抄録

【目的】わが国では輸入真菌症が問題となっており、その中でも最も重要な感染症としてコクシジオイデス症がある。原因菌であるCoccidioides immitisC. posadasii は危険度レベルが3にランクされる病原菌であり、死に至る重度な病気を引き起こす恐れがある。2菌種とも形態的な特徴はなく早期の同定が困難で、また検査室等での取り扱いが危険であることから遺伝子レベルで迅速な同定法の開発が望まれる。本研究では機能遺伝子のTOP2 及びTRF4 に着目し、原因菌の菌種を簡易的で迅速に同定法する方法を開発した。
【方法・結果】TOP2 及びTRF4 のdegenerateプライマーによってPCRを行い、遺伝子属内変型の解析を行った。その結果この2遺伝子は同定に有効なツールとなることがわかった。これらの遺伝子の塩基配列データを基に、それぞれの種に特異的なプライマーを設計し、PCRベースで視覚的に増幅バンドの数と位置で2菌種を分類することが可能となった。このプライマーセットを混ぜプライマーミックスとして使用し、Coccidioides 属の近縁種にも反応しないことを確認した。このプライマーミックスによりPCR上で他菌種とCoccidioides 属を分類するだけではなく、Coccidioides 属の2種を同定することが可能となった。

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© 2006 日本医真菌学会
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