日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第51回 日本医真菌学会総会
セッションID: LIV-2
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ルリコナゾールの基礎と臨床~最近の話題~
臨床的評価
*加藤 卓朗
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抄録
抗真菌外用薬の内服薬と比較した長所は、症状の改善や菌の散布抑制が早い(感染予防効果が高い)、全身的な副作用がない,安価であるなどです。一方、欠点は、爪白癬など無効な病型がある、外用は内服より面倒であり、適切に行いにくいことがあるなどです。抗真菌外用薬の開発臨床試験は日本では非常に厳密に行われていますが、次のような問題があると考えています。1.対照薬(ビホナゾールのことが多い)と公正に比較するために、治りにくい、あるいは問題を生じやすい患者が対象からはずされています。すなわち、角質増殖型足白癬など難治性の病型、接触性皮膚炎や化膿性感染症の合併例、ステロイド剤の全身投与患者、重篤な全身性疾患に罹患している患者などです。2.再発・再感染の評価がなされていません。臨床医の立場からは、治療の参考にするために、治りにくい患者に対する有用性こそがむしろ知りたいことです。したがって発売後の臨床的評価が重要になります。もっとも新しい抗真菌外用薬であるルリコナゾールクリーム、液は2005年夏に発売され、2年以上経過しました。本セミナーでは次のことを示しながら、ルリコナゾールの臨床的評価を行い、問題提起したいと思います。1.当科におけるルリコナゾール使用例の供覧とそのまとめ、2.皮膚科医40名(現在)で作った皮膚科治療アンケート研究会において行った既存の抗真菌外用薬の使用実態と有用性の評価、3.同研究会で経時的に行ったルリコナゾールの使用実態と有用性の評価。
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© 2007 日本医真菌学会
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