長崎大学皮膚科では、2002年から2006年の5年間で17例(男性9例女性8例)のスポロトリコーシスを同定した。年齢では、12歳から90歳にみられたが、14例(87.5%)が50歳以上であった。病型では、限局性皮膚型とリンパ管型が同数であった(病型不明1例)。部位別では、顔面4例(23.5%)、上肢11例(64.7%)、下肢2例(11.8%)であり、上肢では限局性皮膚型3例、リンパ管型8例でリンパ管型が多かったが、顔面では全例が限局性皮膚型であり、下肢では両型が同数であった。明らかな外傷の既往を認められた症例は3例のみであり、いずれも上肢でリンパ管型であった。発症に季節的な差異はなく、地域的には島原半島の症例が約半数を占めていた。治療は、イトリコナゾール単独使用が8例、テルビナフェン使用2例、ヨウ化カリウム単独使用3例、イトリゾールとヨウ化カリウム併用使用1例、イトリゾール使用後外科的摘出1例であり、イトリゾール使用例が85%以上を占めていた。われわれはすでに1951年から2001年までの139例の統計的検討を報告しているが、今回の17例を加えた156例の統計的検討を報告する。