日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第51回 日本医真菌学会総会
セッションID: P-69
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IV. 皮膚真菌症
健康者の趾間に生じた褐色過角化病変より分離できたCurvularia sp.(KMU4944)の走査電顕的観察
*柳原 誠河崎 昌子石崎 宏望月 隆宇田川 俊一
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抄録

【目的】先に75歳健康な男性の趾間褐色角化病変よりCurvuralia sp.(KUM4944)を分離し報告した(第50回日本医真菌学会)。今回は本菌と生物化学的に類縁菌であるPseudocochliobolus eragrostidisを走査電顕的に比較検討したので報告する。【方法】KMU4944とPseudocochliobolus eragrostidisをスライドカルチャーし、寒天培地を被うカバーグラスを光学顕微鏡観察用に、残ったスライドガラス上の培地を走査電顕用の標本とした。【成績】KMU4944の分生子は分生子柄の先端に群れをなして形成され、多くの分生子は紡錘形で、先端近くで片側に肥大し、全体として湾曲したものを多くみた。分生子表面はおおむね平滑であったが0.2μ余りのドーム状の軽い隆起が散在した。また、基底部では著明なscaleを認めた。多くの分生子に臍(hilum)をみとめた。分生子の先端は丸く噴火様に陥凹していた。Pseudocochliobolus eragrostidisの分生子は樽型で湾曲することなく、先端は明瞭に大きなクレターを形成し、車軸状の皺が存在した。【結論】KMU4944とPseudocochliobolus eragrostidisの分生子の形態は走査電顕的にも明らかに異なっていた。

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© 2007 日本医真菌学会
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