日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第52回 日本医真菌学会総会・学術集会
セッションID: SY-4-1
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外科・救急領域真菌感染におけるnon-albicansの関与とその治療
外科・救急領域と血液内科を比較して
*和田 恭直
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抄録

【目的】近年non-albicansの増加が報告されている。今回、外科・救急領域と抗真菌薬の予防投与をおこなう血液内科から分離されたnon-albicansについて、検出菌種、検出率および抗真菌薬感受性成績の動向を検討した。
【対象および方法】2005年1月~2007年12月までの3年間において、当院の外科・救急領域と血液内科から分離されたCandida属を対象とした。菌種同定はCHROMagerカンジダ培地およびapi20CAUX、薬剤感受性試験はフローズンプレート酵母用真菌FP“栄研”を用いた。
【結果】non-albicansの検出率は外科・救急領域35%、血液内科45%で有意差を認め(p=0.022)、C.glabrataではそれぞれ25%と31%であった。C.glabrata についてFLCZ(フルコナゾール)の感受性成績は、外科・救急領域および血液内科の差は認めず、MIC50、MIC90においても、それぞれ4μg/ml、8μg/mlと同値を示した。またMCFG(ミカファンギン)では多くの菌種のMIC値は≦0.03~0.25であったが、C.parapsilosisでは≦0.03~2と他の菌種に比べ感受性が低く、Candida spp.でも感受性が低い株を認めた。
【まとめ】抗真菌薬の予防投与が行われる血液内科においては、同一菌種の耐性化ではなく、元来、感受性が低いとされている菌種への移行が推察された。

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© 2008 日本医真菌学会
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