日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第52回 日本医真菌学会総会・学術集会
セッションID: P-017
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内臓真菌症
Aspergillus fumigatusに対するcaspofunginとvoriconazoleの併用効果の検討
*田口 英昭渡辺 哲豊留 孝仁佐藤 綾香落合 恵理亀井 克彦
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抄録
【目的】Aspergillus fumigatus に対するcaspofungin(CAS)とvoriconazole (VRCZ)の併用効果について検討するため、RPMI培地による微量液体希釈法を試行し、CCDカメラを用いて各ウエル内の菌増殖状態を観察した。その後、ヒト血清中で Aspergillus fumigatus を培養し、菌糸成長速度を指標としてBioCell Tracer(BCT) で検討した。 【方法】患者分離株であるA. fumigatus IFM 51357、49824 および49896株を供試菌とした。単剤でのMIC値は酵母様真菌DP”栄研”で得られた値を目安にチエッカーボード法を試行し、各ウエル内の菌の増殖状態を目視及びCCDカメラを用いた画像解析法(IA01MIC mkII)を用いて確認した。次に、ヒト血清中にCAS 0.25~05 mcg / ml と VRCZ 0.125~0.25 mcg / mlを1) 2 剤を同時に添加した群、2)2剤をインターバルを持って添加順序を異にした群とに分け併用時の効果を比較した。 BCT測定は分生子 2~3 × 103個を接種、RPMI 1640 で前培養の後、健常者ヒト血清に交換した。菌糸の先端をモニターし、各CAS濃度を含む血清および、併用時はVRCZを含むて血清に置換し検討した。 【結果】 A. fumigatusの菌糸成長はCASが1~0.25 mcg / ml濃度において抑制された。しかし、0.125 mcg/ mlでは抑制効果は減弱した。 また、CAS とVRCZ の併用では2剤同時とCASが先でVRCZを後で添加した系で効果が示唆された。
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© 2008 日本医真菌学会
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