日本医真菌学会総会プログラム・抄録集
Print ISSN : 0916-4804
第52回 日本医真菌学会総会・学術集会
セッションID: P-039
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分類と同定
イヌの骨髄炎起因菌として分離されたSchizophyllum commune の同定
*滝澤 香代子田中 博二新矢 恭子小菅 旬子福島 和貴
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抄録
【要旨】2006年、大動脈弁狭窄症の基礎疾患があり、竹による裂傷を負った経歴を有する6才の雌イヌが、後肢跛行を主訴として来院した。骨生検により真菌が分離され、病理所見、交配試験、分子生物学的検討により、Schizophyllum communeS. commune)1核菌糸体と同定した。【実験と方法】形態:コロニーは白色綿毛状で、表面に淡褐色の分泌物を生じた。培養初期にメタン臭。菌糸にクランプはないが壁にいぼ状ないし棘状突起。最高生育温度は41℃。S. communeが疑われた為、本菌の1核菌糸体7株、2核菌糸体1株と交配試験を行い、fruit bodyとclamp connection形成を観察した。分子生物学的検討:rDNAのITS及びD1/D2領域の塩基配列の解析を行った。【結果・考察】Blast検索の結果、ITS(659bp)、D1/D2(645bp)における相同性は共に99%以上を示した事によりS. communeと同定した。交配試験では、5株のテスター株間でのclamp形成が認められた。Fruit bodyは1株により形成され、ビロード状の高さ約3mm、直径5-10mmでcup-shapedのものが観察された。僅かに茶色を呈するものも見られた。以上の結果から、本分離株をS. communeの1核菌糸体と同定した。抗真菌剤に対する感受性はITZ, AMPH, MCZ に認められる傾向にあった。治療はITZにより行われ快復したが、1年後急死した。動物における本菌の報告は2症例目であるが、ヒト同様に増加傾向が推察された。
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© 2008 日本医真菌学会
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