日本運動器看護学会誌
Online ISSN : 2435-001X
Print ISSN : 2186-635X
研究報告
肩関節周囲炎の夜間痛に対するパンフレットを用いた就寝指導の効果
烏山 昌起河上 淳一松尾 福美
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2021 年 16 巻 p. 31-36

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抄録

【目的】肩関節周囲炎患者を対象にパンフレットを用いた就寝指導の効果を検討した.【方法】対象はパンフレットによる就寝指導を実施した21名のうち,アンケートが回収できた14名を対象とした.初回来院時に対象者へ夜間痛の有無,夜間痛出現肢位,夜間痛の程度,夜間覚醒回数,熟睡感を調査した.その後,患者指導用のパンフレットを用いて就寝指導を実施した.内容は,各姿勢における肩関節の安静肢位と使用物品(タオル・クッション・枕)を記載している.介入後の変化はアンケートにより調査した.対象者は介入当日に指導内容を実施し,翌朝に夜間痛の程度,夜間覚醒回数,熟睡感を記載した.【結果】受診前の夜間痛出現率は,患側下側臥位が78.5%と最も高かった.夜間痛の程度,夜間覚醒回数,熟睡感は,指導前と比べて指導後は有意に改善した(全てP<0.05).夜間痛と熟睡感の変化量においては,有意な負相関を認めた(r=−0.55,P<0.05).【考察】症状の改善は,肩峰下圧が高まりにくい姿勢で就寝し,肩関節の安静肢位を保てたことが要因と推測する.【結論】就寝指導パンフレットの介入は即時効果が期待され,良好な睡眠を提供するアプローチとなる可能性が示唆された.

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© 2021 日本運動器看護学会
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