音楽知覚認知研究
Online ISSN : 2434-737X
Print ISSN : 1342-856X
モーツァルト作品の聴取から知覚される感情的性格の検討:ベートーヴェン, シューベルトの作品との比較
星野 悦子
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2008 年 14 巻 1 号 p. 1-15

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抄録
モーツァルトの作品から聴取者が知覚する感情的性格はどのようなものであろうか。本研究では,音楽専攻学生にモーツァルト,ベートーヴェン,シューベルトの弦楽四重奏曲とピアノ・ソナタの冒頭を提示し,知覚された感情的性格について評定を求めた。多変量解析の結果,弦楽四重奏曲ではベートーヴェン,シューベルトより力動性が低く,安定し単純で弛緩し,ベートーヴェンより優雅で美しく,シューベルトより重く暗い,というモーツァルトの特徴が示された。ピアノ・ソナタにおいては,他の二人の作品より明るく喜ばしく,安定し単純で,ベートーヴェンより軽く美しいとされた。モーツァルト作品には,ジャンルの違いを通して「低い力動性」,「高い安定性」,「美しさ」が共通に認められた。この性格が情動調節や一般的認知活動に影響する可能性が示唆された。
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© 2008 日本音楽知覚認知学会
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