この解説では,子ども,赤ちゃん,高齢者を対象に知覚認知研究をする場合の実際について,2つのトピックを例に,研究法上の留意点を述べる。1つ目のトピックでは,視聴覚音声知覚の生涯発達とその言語差に関して,具体的には,視聴覚音声知覚の言語・文化差,学童期の発達,乳幼児期の発達,高齢期の変化についての研究を紹介し,議論を進める。2つ目のトピックでは,楽器練習が認知機能に及ぼす効果について,具体的には,幼少期から練習を続けた高齢音楽家の脳の特徴,高齢期に始めた楽器練習を3年以上継続した効果についての研究を紹介し,楽器練習が脳に与える影響を若い参加者の結果と対比させながら考察する。