本稿では「外国にルーツを持つ」事から独自の視点を持つ外国人青年たちが行う表現活動に注目する。コミュニティラジオでのDJとしての発話記録、採録したラップミュージックの歌詞をKJ法によって分析し、彼らがその独自の視点から日本社会に対して行った発信によってホスト社会はどのような気づきを得る可能性があるのか明らかにすることを試みる。この結果、外国人青年がコミュニティラジオやラップミュージックに乗せて発信した表現から、「個別性の認識」「背景の理解」「視点の多様性と可動性の認識」「自文化への相対的な視点」という4つの気づきがホスト社会にもたらされている可能性が明らかになった。