材料
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プレストレスコンクリートの新しい方法による製造実験に関する研究
黒田 寿紀小牧 和夫
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1964 年 13 巻 134 号 p. 851-855

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抄録
マルテンサイト組織化した鉄筋を用いて作った鉄筋コンクリート部材は, 鉄筋を焼きもどすことによりマルテンサイト組織が変化して鉄筋に収縮が生じてプレストレスコンクリートに変わる. このことを利用して, 実用性のあるプレストレスコンクリート製品をうる目的で少しばかり実験を行なった.
その結果, 炉中にて鉄筋を焼きもどすと加熱時間が長時間のためコンクリートが劣化してき裂を生じたり, 鉄筋にレラクゼーションが生じるためか充分な結果が得られないことがわかった. また, 高周波誘導加熱により鉄筋を焼きもどす場合, 鉄筋応力が約30kg/mm2でプレストレス応力を加えることができること, 高周波コイルは1重コイルより2重コイルのほうが良いこと, この加熱方法でもコンクリートにき裂が生じることなどが判明した.
また, 鉄筋の材質, 焼き入れ方法の研究により, 一層大きなプレストレスを与える可能性があることなどもわかった.
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© 日本材料学会
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