材料
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プラスチック材料のアイゾット衝撃試験に関する二, 三の問題
小林 政治郎植村 幸生
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1966 年 15 巻 156 号 p. 584-588

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抄録
プラスチック材料のアイゾット衝撃試験に関する実態調査のなかで, 各事業所のアイゾット衝撃試験機による同一試験片のアイゾット衝撃値は, 硬質塩ビ板の場合4.3~7.7kg-cm/cm2, フェノール樹脂積層板では10.6~14.7kg-cm/cm2に分布していた。このように試験機間で衝撃値が大きくばらつく原因として現行使用されている試験機に問題点があることがわかった. このうち若干の問題点についてどの程度アイゾット衝撃値に影響を与えるのか硬質塩ビ板およびフェノール樹脂積層板を試料として実験を行ない検討した. その結果, 次のことがわかった。
(1) 支持台上面より打撃点までの距離の差異および試験片の締付け圧の大小に衝撃値はほとんど依存しない。
(2) すきまが2mm以上にもなれば衝撃値は大きくなる. すきまによる衝撃値への影響は, フェノール樹脂積層板に比べ硬質塩ビ板の場合顕著であった.
(3) 試験機の摩擦損失を補正しないと試験機間の衝撃値がばらつく原因となる. 特に吸収エネルギの小さい材料の試験に際しては重要な事項である.
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